日 誌


2004年9月@

8月Hへ 9月Aへ

メール・アドレスを、dugonghouse@yahoo.co.jp に変更しました。

名護新基地建設絶対反対!   ボーリング調査絶対阻止!
 
座り込み支援カンパ!!
         
よろしくおねがいします!

辺野古と共に!国会前座り込み
 国会座り込みの様子を毎日更新!!
  大好評!!    辺野古新基地建設反対!!
         「顔署名」
はコチラ!!→ (^0^)



那覇防衛施設局の発表
 「来週にボーリング調査を行う」

 
※3日夕方に「住民説明会」と称する住民を排除して行政委員だけへの説明会が開催された後、来週、ボーリング調査が強行されるようです。4月19日は午前5時15分頃の強襲でした。月曜日に集まるのでは手遅れかもしれません。日曜日の夜のうちに沖縄に入ってください。月曜日は、早朝から(あるいは日曜日の深夜から)辺野古に集合して下さい。もちろん、覚悟して集まってください。

9月2日(火)
・防衛施設局は来ませんでした。

現場が求めている一番大きなことは来週中に来るだろう防衛施設局及び機動隊を絶対に止める「絶対的な物質力」です。
絶対に止めなければいけないという状況の中で「人」が一人でも多くいるということが必要だということです。
突破されれば突破し返すという新しい局面を迎える前に一日目に突破されるのか、止めて追い返すのかでは違うということを改めて確認します。そしてそこを止めてこそ「阻止」なんだということを確認します。
警察を動員するということの中で防衛施設局は高をくくっています。

何人であろうが、どんな人間であろうが今現在現場において一番大事なこととは現場に来るということです。
覚悟が必要なことです。生活を超えてこなければなりません。大変なことだと分かった上での死力を尽くしたお願いだと受止めていただきたいのです。
命を守る会のおばぁ、おじぃは命を賭けて「来週」を迎えます。私ももちろんそうです。いつでも命を賭ける覚悟で今日を迎えてきました。

もう一度4月19日に皆様に問いかけたことを再度問います。
おばぁ、おじぃに座らせますか?それとも私達が引き受け座りますか。
私達にはもう一度それが問われています。死力を尽くしてこれまで8年間に渡って訴えてこられた人達にこれ以上やらせて一体日本の未来に何があるというのでしょうか。
私達はどんな立場をも超えて辺野古に集い、その一瞬に賭けるのです。

イラクに米軍を自衛隊を送りたくないというのなら、イラクの子供達を傷つけたくないというのなら、パレスチナの人達に答えるというのなら、アフガニスタンの今なお続く侵略を止めるというのなら、朝鮮半島に平和が必要というのなら、教育を戦争に向かわせたくないというのなら、有事法制や現在の日本のあり方を許せないというのなら、フィリィピン、アジアへのこれ以上の侵略を止めるというのなら、労働現場でよりよい生き方を生きるというのなら、在日の差別を許さないというのなら、部落解放と訴えるのなら、日本の港湾施設の軍事化を許さないというのなら、ジュゴンを守りたいというのなら、自然破壊を許さないというのなら、アイヌコタンへの差別を許さないというのなら、沖縄から基地を失くすと訴えるのなら、日本を変えるというのなら、世界戦争を止めたいのならば辺野古に集いましょう。

私達が現在の沖縄、日本で最大限出来ることは辺野古に来週集まることなのです。全ての差別を失くすために辺野古に集まってください。私達が機動隊とぶつかっても多少の痛みはあるかもしれない、しかし辺野古を突破されることは何万もの人々の生命を奪うことなのです。
それが許せない!!!その怒りだけで十分です。その覚悟だけで十分です。体1つで十分です。それがこれからの歴史を作るのです!!!

お願いです。この訴えを聞いた人々にお願いです。辺野古に集まってください。大和も沖縄も越えて来てください。おばぁやおじぃのためにも自分たちの未来のためにも。

今やらなくてもいつやるんだ!!あなたはいつ動く!!この歴史的な大舞台に立ってください。阻止するんです!!それが何よりの希望です!!!
はりさけんばかりの声で訴えます。あらゆることを使ってでもここに集ってください!!!今、黙認すれば人が死ぬ!!!生命が少しでも大切だと思う人は来るんです!!ここがそれを最大限訴える場所です!!!!

私はただ、熱く訴えます!!生きることの全てを賭けてこの辺野古を守る!!!生きるために!!!
お願いだ人々よこの声に答えてくれ!!この死力を尽くした声に!おばぁ達の代わりに出している声に!自分たちの未来を勝ち取るために出している声に!!!!

そして現在この闘いが「非暴力である」ということを確認しなければなりません。
平良夏芽さんは今日、「暴力をなくす闘いであるがゆえに暴力は使わない。私達が勝利するとは非暴力を貫くこと」と訴えました。
現場では必ず私達の指示にしたがってもらいます。個々がばらばらであることが一番危険であるという認識を持ちましょう。突発的な行動は絶対に避けてください。そして絶対に勝ちましょう。

「街」電撃解散か!?
革命旅団「ヨッシーとジュゴンの家」結成か!?

9・6 辺野古総力決起を決定!
 
4日から店には誰もいなくなりますから、誰も来ないでください!!



 辺野古「晋くん日誌」を読んで、私たちは、8月2日の国会前座り込み決定に続いて、9・6辺野古総力決起を決定!という新しい決断をしました。

 昨夜までは3人の参加を決めていましたが、命を守る会のおばぁ、おじぃは命を賭けて『来週』を迎えます。私ももちろんそうです。いつでも命を賭ける覚悟で今日を迎えてきました」

 私たちは、たかだか数人のグループです。しかし、「死力を尽くしてこれまで8年間に渡って訴えてこられた人達にこれ以上やらせて一体日本の未来に何があるというのでしょうか」 この血叫びを受け止めて、動ける最大限の人数・7人で辺野古に行くことを決めました。

 私たちは自暴自棄でそういうことを決めたのではない。この間の「辺野古新基地反対」の100名を越える『顔署名』という地域運動にトンコン確信を持っているからこそ、そうした方針を決めることが出来たのです。

  「今やらなくてもいつやるんだ!!あなたはいつ動く!!この歴史的な大舞台に立ってください。阻止するんです!!それが何よりの希望です!!!はりさけんばかりの声で訴えます。あらゆることを使ってでもここに集ってください!!!今、黙認すれば人が死ぬ!!!生命が少しでも大切だと思う人は来るんです!!ここがそれを最大限訴える場所です!!!!

 「この歴史的な大舞台に立って」-この言葉を全身全霊で受け止め、私たちのこれまでの運動とこれからの運動のあり方のすべてを賭けて、辺野古に決起します。地域の人たちの熱い支援に支えられ、地域のことは安心して地域の人に任せて人は辺野古に行きます。

 私たちはすべてを失うのではない、すべてを得るために、「自分たちの未来を勝ち取るために」行ってきます。 



9月3日(金) 「街」日誌

今日の夕ご飯は焼きそばと餃子スープ 飯田さんからいただいたブドウ
←佐竹さんから、うっちん茶の差入れ
をいただきました!


井田さんから牛タンの差入れ!→→
夕ご飯はお刺身!! きゃべつと卵いため


9月2日(木) 「街」日誌

今日の昼ごはんはかやくそーめん 肉じゃが いわせさんがヨッシーに絵を描いて
持ってきてくれました。
沖縄に向けての練習をする佐竹さん。 「街」アピール
夕ご飯はディパックさん直伝
インドカレー!!



クルミと干しぶどうヨーグルト。

9月1日(水) ジュゴンの家日誌から
         ヘリ墜落事故抗議北部集会  名護市役所にて
集会開始の午後6時30分、まだ続々と人が集まります 会場の前方に辺野古のおばぁたち 今日の集会では、座り込みの様子を撮影したビデオがバックに映されます
←瀬嵩の金城 繁師匠が
三線と歌で場を暖めます



→骨折で入院していた名護市議・
大城敬人さん。
元気になったみたいです

名護市議会有志が出した、防衛施設局の説明会への参加拒否声明文を配っていました
集会開始!!「ヘリ基地反対協」代表・安次富さん
「ボーリング調査の強行が決定された。命令に従って遂行すると。人間のぬくもりのない、官僚の言葉だ。そうであれば私達は、ボーリング調査を体をはって阻止する。振興策、使用協定で解決しようとする岸本市長・稲嶺知事に対しても、私達はボーリング調査・新基地建設をさせない闘いをする!!」
「命を守る会」代表・金城祐治さん
「沖縄から基地をなくそう!!一緒に頑張っていきましょう・・・!!」
「県民会議」山内徳信さん
「私たちは今日まで座り込みを続けてきた。必ず勝利します。闘い抜きましょう。施設局の説明会はアリバイ作りの説明会。県民会議は9月3日の説明会で抗議集会を行います。みなさん集まって下さい!!」
「普天間爆音訴訟」団長・
島田善次さん
集会の司会は大西さん。
リレートーク 「二見以北十区の会」浦島さん
腸が煮えくり返っています。こんな知事はいらない。私達の意志を代表する知事を出しましょう!!この集会をきっかけにして、名護市民が立ち上がることを期待します」
辺野古に住む渡嘉敷さん
名護市職労の方「振興策での事業、そして新たな基地計画に皆さんの税金が無駄に使われる・・・。」
「辺野古のジュゴンの住む海を守りましょう・・・!!」
「一坪反戦地主北部ブロック」上山さん 県職労の方
「東京の国会前の座り込みに参加しました。“ジュゴンの家”の仲間の方達が座り込みをしていました。東京でも、こうして運動ができてきています」
東恩納琢磨さん「皆さん!!一緒に、こんな施設局の説明会を許さない集会(9/3)を作り上げようじゃありませんか!!!」 瀬嵩の渡具知ファミリー
闘う決意を再確認し、集会最後にガンバロー三唱
集会後、ヒンプンガジュマルまでデモ行進!!!

沖縄タイムス

墜落機に放射性物質/沖国大環境調査会議
米軍、劣化ウラン使用は否定

 米軍ヘリが墜落した沖縄国際大学の環境汚染調査に向け、米海兵隊、同大、県、米海兵隊委託業者の四者による事前会議が二日、同大で行われた。米海兵隊キャンプ・バトラー環境保全課のジョセフ・ボーゲル課長は「機体の安全装置にβ線を出す低濃度の放射性物質が使われていた」と答え、機体に放射性物質が存在していたことを初めて認めた。機体バランサー(安定用の重り)に劣化ウランが使われていた疑いについては「タングステンを使っていた」と否定したが、軍事専門家からは懐疑的な見方が出ている。

 大学側は、さらに詳細な調査が必要だとして、米軍が回収した土壌を含めた総合的な調査を要求。四者で調査項目や方法を決定次第、本格的な調査を開始することで合意した。

 会議では放射性物質に関して質問が集中した。ボーゲル課長は「安全装置は一般の旅客機に搭載されているのと同種だ。放射性物質の種類は不明で、後日回答したい」とした。

 大学側はさらに、「機体バランサーに劣化ウランを使用していたのではないか」と追及。ボーゲル課長は「タングステンが使われていた。劣化ウランはない」と明確に否定した。

 オブザーバー参加した宜野湾市職員から「消火活動に当たった消防隊員から健康不安の声が上がっている。事故後、米兵にはどのような検査をしたのか」との質問も出された。

 米側は、環境調査の担当者であることから詳細は答える立場にないとして、「皆さんから説明を求められた点については、事実関係が判明次第、答えたい」として理解を求めた。

 沖国大米軍ヘリ墜落事件対策本部の富川盛武副本部長は「米軍が回収した土壌も含めて、調査するとしたことを誠実に守ってほしい」と話した。

ヘリ墜落事故の環境調査に向けた会合で調査方法などについて説明する米海兵隊の担当者ら=沖縄国際大学 (写真説明)ヘリ墜落事故の環境調査に向けた会合で調査方法などについて説明する米海兵隊の担当者ら=沖縄国際大学

     ◇     ◇     ◇     

古い機種なら可能性/劣化ウラン
航空評論家ら指摘

 米軍は、墜落したヘリに放射性物質の劣化ウランが積まれていたことを否定した。しかし、専門家からは「バランサーに使っていたのではないか」との指摘が出ている。

 航空評論家の青木謙知氏は「古い機種ならば、回転翼の主軸部分に、バランサーとして劣化ウランが使われていた可能性がある」と指摘する。

 米軍は「タングステンを使っていた」と説明するが、青木氏は「最近の機種ではタングステンが使われているが、製造後に交換するようなものではない」と話した。

 軍事評論家の江畑謙介氏も「劣化ウランはただみたいなものだが、タングステンは高価。劣化ウランをバランサーに使う航空機は今でもあるはず」と指摘した。


9月1日(水) 「街」日誌

イスを直すしゅうちゃん 家具移動の仕事を頼まれました。総出で作業!
←パプアニューギニアに帰ってし
まうドリーンさんにヨッシーの歌
を録音してプレゼントしました!

小野川さんにいただきました!→
故郷、静岡の名物だそうです。
今日は、戦争中赤ん坊を抱えて空襲の
中を逃げ回ったことを話してくれました。
「今までで一番嬉しかったことは日本が
降参した時だよ。小泉さんは戦争がどう
いうものか知らないんだよ。」
今日の夕ご飯は肉野菜炒め!

琉球新報

調査強行姿勢に抗議 普天間代替でヘリ基地反対協が集会

デモ行進に出発する米軍ヘリ沖国大墜落事故の緊急集会の参加者ら=1日午後7時50分ごろ、名護市役所前

 【名護】米軍ヘリ沖国大墜落事故に抗議し、普天間飛行場の名護市辺野古沖への移設計画に反対する緊急集会(主催・ヘリ基地反対協議会)が1日午後6時半から、名護市役所中庭で開かれた。主催者発表で約250人が参加した。移設計画に伴うボーリング調査を那覇防衛施設局が強行する姿勢を示していることに強く抗議。3日に施設局が地元住民の200人に限って開く説明会に「不公平で、透明性がない」などの批判の声が上がった。

 集会では普天間飛行場の即時閉鎖、無条件返還や辺野古移設計画の撤回とボーリング調査中止、同調査実施を目的とする久志13区住民説明会の中止などを求める決議を採択。

参加者は名護市内をデモ行進した。


琉球新報

米軍ヘリ墜落 児童の半数不安訴え 志真志小が緊急調査

 米軍ヘリ沖国大墜落事故で、事故現場から約300メートルと最も近い宜野湾市立志真志小学校(久銘次利男校長、児童660人)は1日、全児童を対象に事故についての緊急アンケート調査を実施した。回答した643人(97・4%)のうち、約半数の316人(49・1%)が、「また飛行機が落ちるのではないかと不安」と答えた。同校は「心のケア(世話、看護)がぜひ必要」と判断、市の専門職員とも連携しながら、児童の相談に当たっていく考えだ。

 同校は事故直後に、担任が児童の家庭に電話して事故の影響を聞いたが、夏休みということもあり、十分な聞き取りができなかった。しかし、始業式で不安を訴える児童もいたことから、緊急にアンケートを実施した。今後、さらに詳細な調査を行うことも検討する。

 今回のアンケートで「米軍ヘリが墜落するところを見たり、音を聞いたりした」と答えた児童は204人(31・7%)。

 「事故のことが気になって眠れない」は17人(2・6%)、食事が「事故のことが気になって食べられない」が7人(1・1%)、「事故のことが気になって勉強できない」も25人(3・9%)いた。

 ヘリの落ちる大きな音を聞いたり、燃え上がる火や黒い煙を見たと答えた児童も多く、その時の気持ちを聞くと「びっくりした」「家が燃えていないか心配だった」「怖かったので早く帰った」などと答えた。

 気になることを書いてもらう項目には「またヘリが墜落しないか心配」「もう落ちないでほしい」「何で落ちたのか知りたい」との声のほか、「お風呂に入っている時、どきどきして心配」との答えもあり、1人でいる時に不安になる児童もいることがうかがえる。

 始業式の後、不安がある児童は校長室に来るよう呼び掛け、校長と教育相談担当教師が7人を面談し、話を聞いた。

 久銘次校長は「これだけ不安を訴える子がいるからには、心のケアがぜひ必要だ。児童が早く元の状態に戻るよう担任や専門家と連携しながら取り組んでいきたい」と話した。


東京新聞

治安悪化するサマワ 自衛隊がけっぷち

 アテネ五輪に一喜一憂していたすきに、イラクへ派遣された自衛隊の宿営地がある南部サマワでは、治安が急速に悪化していた。今月激化したシーア派内の反米強硬派サドル師グループと米軍の戦闘は二十六日、停戦で沈静化したが、その後も近隣のオランダ軍宿営地付近には迫撃砲が撃ち込まれた。政府は依然、サマワを「戦闘地域とみなさない」としているが、自衛隊の撤退論議再燃は必至だ。

 「サマワ周辺では、サドル師の支持者が増加傾向にある。当初の『自衛隊熱烈歓迎』の雰囲気は急速に色あせた。期待が大きかった分、限定的な支援への失望が大きかったのだろう。市内のあちこちにサドル師のポスターが張られていたが、市役所の警備員宿舎にもあったのには驚いた」

 七月中旬まで現地に滞在したジャーナリストの志葉玲氏は、サマワの住民感情をこう解説する。

 それを裏付けるのが陸自宿営地への攻撃回数の増加だ。今年に入り八月二十八日までに七回攻撃を受け、特に今月に入ってから四回と頻発。“陸自の護衛役”オランダ軍は五回も攻撃を受けている。着弾地点も、どんどん宿営地に近づいている形だ。

 現在、サマワに滞在する陸自隊員は約六百九十人。活動面では、機材の故障防止のため夜間に浄水し、日中に配水している。医療支援は病院などで週一、二回、機材の取り扱いや症例について助言。道路三カ所、学校四カ所などで施設補修をしているという。

 それにもかかわらず、なぜ地元住民は強い不満を抱くのか。志葉氏は「配水活動もイラク人の運転手任せで、宿営地から一・五キロの村にも二週間に一度程度しか水が配給されない。さらに、そのドライバーが現地人に水を売っているという話すら聞いた」と話す。

■支援は『役に立たぬ』の声

 こうした“とばっちり”に加え、失業問題が影を落とす。サマワでは七割が失業中。当初の「日本の大企業が来て、雇ってもらえる」という誤解は「裏切られた」という悪感情に転化している。電力事情が逼迫(ひっぱく)しているが支援メニューには電力支援がなく「『役立たず』という声も多くなった」(志葉氏)。

 こうした潜在的な不満をベースに今月に入り、再燃したナジャフを拠点とするサドル師グループと米軍の戦闘が、サマワにも不穏な空気を招いたという。

 志葉氏は「米軍のナジャフ包囲攻撃をきっかけに、“米軍協力者”として自衛隊への敵対心が高まった。自分の通訳がサドル支持者に一人で接触した際、『おまえは日本の味方か。米国の味方の日本は敵だ。自衛隊員を殺してやる。サドル師から命令があれば、戦う用意はある』と激しい口調で脅された」と振り返る。

 「四月ごろから、取材で現場に行くと『日本人は帰れ』と石を投げられるなど対応が厳しくなった」と話すのは、六月初旬までバグダッドに滞在したアジアプレスの玉本英子氏だ。

 「四月初旬、スンニ派モスクを取材したがスンニ派とシーア派が異例の合同礼拝をし、『われわれは米軍と戦う』とスローガンを叫んでいた。五月下旬に取材したバグダッドのスンニ派武装勢力は『自衛隊は米軍と同じ攻撃対象』と明言しており宿営地攻撃にスンニ派武装勢力が協力している可能性も否定できないと思う」

 こうした状況でも、日本政府は現在もなお、サマワがイラク特措法で派遣条件に定めた「非戦闘地域」に当たるとしている。

 三夜連続の攻撃があった二十四日、防衛庁幹部は「サマワは平穏という認識に変わりはない」と強弁。同日、石破防衛庁長官も「非戦闘地域の前提を超えるものではない。自衛隊を狙ったものなのか確定できる情報はない」と述べ、細田官房長官も翌日、「攻撃は散発的」で戦闘行為ではないという見解を示した。

 たしかにサドル師派と暫定政府との停戦合意によって、事態は沈静化するという楽観論も流れている。しかし、中東調査会上席研究員の大野元裕氏は「サマワの情勢が悪化しているのは確かだ」とし、先行きについても不透明とみる。

 「今月初めからの動きをみていると、サマワにおけるサドル師支持の武装勢力と、ナジャフの“本丸”とは、必ずしもうまくいっていない。サマワの場合も、今回の停戦情報が伝わっていなかった可能性がある。ただ、サドル師支持の武装勢力の中でも、“本丸”に統合されていない跳ねっ返りがサマワにいる可能性もある。サドル師が『日本は占領軍ではない』と発言した後も、自衛隊を標的にした攻撃が起こっている。武装勢力は一枚岩ではない」

 サドル師支持とは別の武装勢力が行動を起こす可能性もあると言う。「南部で現状に不満を持つ勢力としては、アッダワ党(暫定政府内のシーア派宗教政党の一つ)などもある。今のところ、日本に対し強い不満を持つ状態ではないが、何らかのきっかけで矛先を向ける可能性はある」

 軍事評論家の神浦元彰氏は一連の攻撃を自衛隊に対する「警告」とみている。

 「使用されている迫撃砲は三、四キロの射程がある。約一キロ四方の自衛隊の宿営地内に撃ち込むのは簡単なことだ。いまはあえてそれをせず、警告の意味を込めて近くに着弾させているのだろう。しかしいつまでも警告でとどまるとは限らず、宿営地攻撃が始まることもありうる」

■オランダの後米軍なら最悪

 来年三月には現在、自衛隊を「防衛」しているオランダ軍が撤退する。「その後に米軍が出てくれば、自衛隊にとっては最悪のシナリオだ。サマワを選んだのは米軍がいないから。『自分たちは復興支援のために来た。米軍とは違う』と言ってきたのに、米軍に警備されるようなことになれば、一体化した存在と見られる。自衛隊にとっては悪夢だ」

 神浦氏は続ける。「自衛隊ができるのは、コンテナを二段、三段と重ね、そのうえに砂袋を置く穴ごもり作戦だけだ。外に出れば攻撃され、いても砲弾が降ってくる。撤退しかないのではないか。宿営地の中に砲弾が落下したら、一つの重要なタイミングだと思う」

 東京国際大学の前田哲男教授(安全保障論)は「米兵の死者数を見ても今月は六十人とペースが上がり、統治能力がない暫定政府に対する抵抗運動は激しくなっている。イラク全体が戦場で、連日のように砲声が響くサマワ周辺も、イラク特措法による『武力行使は必要ない』という想定は崩れている。法律上の問題とともに、数百億円もかけてほとんど何もできないという(復興支援の)コスト問題もある」と指摘する。

 そうであるにもかかわらず、前田氏は自衛隊の撤退はもはや困難と判断する。

 「小泉首相は国会に諮ることもなく、多国籍軍に入ることをブッシュ大統領に約束してしまった。日米問題にしてしまった以上、国内の法律の都合で撤退というのは実際には困難だ。宿営地が攻撃されても、撤退よりも増強の口実になってしまうのではないか」





8月Hへ 9月Aへ

「街」日誌の頁へ
inserted by FC2 system