オープンスペース街・日誌


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2002年7月A

7月8日(月) 「街」日誌

森山真弓法務大臣、坂口力厚生大臣は直ちに辞職せよ
               全国「精神病」者集団会員 長野英子

 今国会で、「心神喪失者等医療観察法案」が審議されている。この法案は「再犯のおそれ」を要件として「再犯を防止すること」を目的に、犯罪にあたる行為をし、心神喪失等で不起訴や無罪などとされた人を対象とし、予防拘禁しようとする法案である。この法案の対象とされ特別の施設に収容されれば、「再犯のおそれのなくなるまで」おそらく終生の拘禁が予想される。かつて反対運動で頓挫した刑法保安処分新設と同質の保安処分であり、手続き的にはそれ以上に問題のある法案である。

 7月5日の法案の法務厚生労働連合審査において、森山大臣および坂口大臣は到底見逃しがたい答弁を行った。
 佐藤議員は再犯予測ができるのか、といった再犯予測可能性をめぐる質問をし、100%というのはできないだろうという坂口大臣の答弁を引き出した。その流れで、佐藤議員はもしこの法案が動き出して、それによって被害が出たとしたら、それに対して大臣は責任が取るのか、と追求したところ、坂口大臣は、被害というのはどういうことか分からないとした上、この法案の対象者は重大な犯罪を犯した人であって、その人たちに治療を提供するのだから迷惑をかけるなどということはない、むね答弁した。

 一方森山大臣も、十分なケアをし、社会復帰を目指すのだから、被害というのは分からない。人権上の問題を指しているとしたら人権問題が全くないよう、人権保障は大前提としている、と答弁した。
 すなわち「再犯のおそれ」鑑定が誤り、「再犯のおそれ」のない人を処分の対象として拘禁しても、これは「医療と社会復帰を目的」としているのだから、なんら不利益を与えないのだ、という論理である。

 開き直りとしかいえない答弁である。法案対象者とされた人には人権なしという宣言である。
 この論理では法の目的さえ「医療と社会復帰」であれば、その法に基づき強制収容され、いかなる医療を施され、実りあるべき人生を奪われても、なんら被害ではない、ということになる。私たち「精神病」者には人権なし、という論理だ。

 精神保健福祉法においてもその目的は「医療と保護および社会復帰」となっている。しかしながら、この国の精神病院では医療的に入院が不要でありながら、行き場がないために精神病院での暮らしを余儀なくされている人たちが7万とも10万とも言われている。その中にはかつて精神外科手術を受け、新たな障害を押し付けられ苦しんでいる仲間もいる。これらの方は高齢化し一刻も早い救済がなされなければならない方たちである。ハンセン病訴訟で語られた強制隔離による人生被害を受けた方たちである。

 厚生労働大臣、法務大臣の今回の答弁によれば、法の目的が社会復帰と医療である以上、これらの方たちも一切被害を受けていないということになる。国は何もしない責任もとらないという宣言とさえ受け取れる。長期入院者の社会復帰やら精神医療福祉の充実という厚生労働省の言葉の欺瞞が今明確になった。

 人権を擁護すべき法務大臣、「精神病」者の医療福祉に責任ある厚生労働大臣として、あってはならない答弁であり、私は直ちに両大臣の辞職を求める。

 この法案廃案の闘いをになう皆様にも訴えたい。両大臣の辞職を求める手紙、ファックス、メールを集中していただきたい。

文例 
7月5日「心神喪失者等医療観察法案」の審議において坂口力厚生労働大臣および森山真弓法務大臣は、この法対象者の「再犯予測」が誤り、特別病院へ強制収容されたとしても、この法の目的が「適切な医療提供と社会復帰」であるので、その強制収容も一切被害ではないと答弁した。 法対象者ひいては精神障害者全体には人権なし、という宣言であり到底許容で
きない。私は両大臣の即座の辞職を要求する。

要求先
坂口力厚生労働大臣 
 〒100-8981
千代田区永田町2−2−1 衆議院第一議員会館 617号
  ファックス 03-3508-3617 E−mail g02158@shugiin.go.jp

森山真弓法務大臣
 〒100-8981
千代田区永田町2−2−1 衆議院第二議員会館 543号
 ファックス 03-3597-2753 

ジュゴンニュース Vol.5(2002/07/07)        :
;         SDCC(ジュゴン保護キャンペーンセンター)発行    
   Index 
      ◇ ジュゴン関連ニュース
      △ ジュゴンの海を守る市民アセスを(6/30講演会報告)
      ○ インフォメーション

  ◇ ジュゴン関連ニュース http://www.sdcc.jp/J/new.html
 ◆鳥獣保護法改正案成立−ジュゴンも保護対象に
 7月5日に衆議院本会議を通過し、鳥獣保護法改正案が成立しました。 法改正に伴い、沖縄のジュゴンも保護対象に加わり、保護区設定も可能 になります。2003年の4月1日から施行されます。

 毎日新聞 7/5
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020706-00002041-mai-soci

 ◆自民党麻生政調会長−辺野古移設に否定的
 自民党麻生政調会長は普天間基地の辺野古移設について、「ジュゴンの いる青いサンゴ礁は残した方がいい」「15年に限定して1兆円も使う話 は、国民から言わせると「冗談言うな」となる」「首相が政策を変えるべき。自分が首相になったらさっさと変える」と述べました。
 琉球新報 7/6
 http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/2002/2002_07/020706a.html
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 「市民による環境アセスメント」 −ジュゴンの海をまもるために−講演会報告(6/30 東京)
   講演:原科幸彦さん(東京工業大学教授)

 原科さんは、'97年のアセス法制定の意義に触れ、「生態系の評価など絶 対基準では計れない概念が導入され、これらは複数案の相対比較でしか 評価できない。米国のNEPA(国家環境政策法)ではゼロオプションは必
 要条件」「市民参加もただ意見を聞くだけでなく、市民と行政がパート ナーシップを組み、共に事業に責任を持っていく必要がある」と複数案 比較と市民参加こそがアセス法の核心だと強調した。続いてWWFジャパン の花輪伸一さんが、「市民がアセスに参加することが、名護でも重要。 市民アセスの全国ネットワークを」と今後の取り組みを呼びかけました。 講演会には40名が参加しました。
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インフォメーション
 ● ジュゴン保護署名により一層のご協力を
 鳥獣保護法改正でジュゴンが保護対象になります。署名を広げ、「今こ そ保護区の設定を」という声を全国に広げることが重要です。7月22日 頃に(21日集約)に第1次署名提出を行います。現在6000を超える署名 が集まっていますが、第1次提出までに2万を目標にしていますので、 皆さまの協力をお願いします。用紙はWEBサイトからもダウンロードで きますし、オンライン署名も出来ます。

     署名ページ    http://www.sdcc.jp/J/sign.html

■ ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)
                        TEL/FAX 03-5228-1377
                        http://www.sdcc.jp/
                           info@sdcc.jp 

7月7日(日) 「街」日誌

 則子さんのお姉さんから送られて来た 小美野さん昼食参加。冷し中華、
肉まん、春巻、キムチ
働くダイちゃん。昨日、国会傍聴を
して人間が変わってしまったみたい
 有事法制、医療観察法案反対「街」前アピール
訴えるオヤジさん(元ペチャンコ)、サクちゃん
 サギリちゃん、元気でやってますか、
とマリさん。
夕食は、ウナギ・トロロ丼、フルーツポンチ
田舎の漬物

7.5審議の感想
 保安処分施設で行なわれる「治療」につき、いろいろに精神科医の方に尋ねたり外国の保安処分施設でおこなわれていることを調べていただいたりしたのですが、結論的には何等特別な治療方法は存在しないということです。政府が治療方針の「大綱を出す」と言っているのですからそれをいかに粉砕するか、特別なことがあるのかどうかを検討するということが必要だろうと思います。出る前に先制的に粉砕するということが必要かもしれません。

 7.5の審議を聞いていて政府答弁とかみ合わない議論にいらついたというのが正直な所です。坂口は、対象者ついて「重大な犯罪を犯した人」「特別な人」と言うことを言っています。言わずにいることを明示にすれば、「重大な犯罪を犯した特別な人だから人権を侵害しても当然なのだ」ということです。もう少し突っ込めばその発言が引き出せるのではないかと思います。

 ここに政府の重大な「精神障害者」差別があります。この処遇の対象となる人は、裁判で無罪になったか、起訴されなかった人です。一般市民ならそれ以上人権を侵害されることはありません。それが侵害されるのはただ単にその人が「精神障害者」だからです。その処遇の対象となる人は「犯罪者」では全くありません。「犯罪者」なら刑事裁判によって裁かれればいいのです。裁かれた上で無罪になった人、起訴されなかった人なのですから、その人は「犯罪者」ではないのです。

 別な側面から言えば、その人が対象行為を行ったのは、病気の上であり、本人に責任はないとされた人です。だからその人は「犯罪者」ではなくただの「病人」なのです。精神病以外の「病人」が人権を侵害され拘留される事はありえません。なぜ拘禁されるのか。その人が「精神障害者」だからです。

 明確に「精神障害者」は人権の保障の必要性のない人、という規定が与えられているのです。これが最大の差別でなくてなんでしょうか。

 この論理は、各病院・地域で「処遇の困難な病者は特別施設に隔離するべきだ」という論理につながります。実際に外国の保安処分施設には、犯罪を犯した人ばかりでなく、病院で処遇が困難だとされた「精神障害者」が拘禁されています。また、この論理は、精神医療改革の流れを逆流させるものです。精神医療というものが元々犯罪予防という任務から始まったものを、患者自身とその糾弾を受け止めた精神科医によって、患者本人のために使うという長年の努力が行なわれてきました。まだまだ、それは一般化されておらず、精神医療全体で見たとき極めて保安処分の要素の強いものということがあります。措置の長期入院者がその実例です。「精神障害者」だから人権の保障の必要はないということが法制化されれば、そのような努力をしている医者は、国と法制度の中で押しつぶされてしまうでしょう。それほど危ういのが現状です。

 その問題につながることですが、政府が「可能性、リスク」ということを拘禁の理由としていることは許せないものです。「可能性」「リスク」というものは、あるかも知れないし、無いかもしれないという意味でしかありません。政府答弁では100パーセントではないと明確に言っています。坂口は「病気であるがゆえに再犯させてはならない」とも言っています。「病気であるがゆえに再犯をさせない」ために再犯しない人をも拘禁するという意味です。絶対に拘禁しなければその人は再犯をするとは言っていないのです。

 一般市民では再犯をするかどうかが拘禁の理由とはならないのですから、そもそもが重大な差別です。しかもその上に政府として、再犯をしない人をも拘禁すると言っているのですから、「精神障害者」はなんらの人権もない存在ということを言っているに等しいのです。

 中川議員が、怒りの感情と、「精神障害者」の犯罪をつなげていっておられましたが、心神喪失というのは、そういう論理で図りきれないものではないでしょうか。妄想、幻聴、幻覚などが影響し、また、何の論理性も無く心神喪失になるということがあるからです。患者本人はそうならないように努力しているし、精神科医も努力しています。しかし、その上でも症状が出ることはあるのです。私の心神喪失は、経験的にどういう時に出るかが分ってきたので、ここ数年は出ていませんが、絶対に再発しないとは言えません。その時の症状の出方が、ただ騒ぐだけであったりときには犯罪につながる場合もあるということです。

 犯罪をしていない「精神障害者」に悪影響が出るというのはそのとおりですが、その面だけを言っていては政府に太刀打ちできないという感想を持っています。何よりも犯罪を犯した「精神障害者」の人権が侵害されてはならないというところから出発しないといけないのではないかと。政府の言う、これは「犯罪を犯した」「特別な人」に適用されるという論理に負けずいかに打ち砕くかというところから問題を立てないといけない。犯罪を犯した「精神障害者」の人権をこそ守るべきだという論理が必要だろうと思います。ただの一人も人権を侵害されてはならない、人権の無い人間を作ってはならないということではないかと。

高見元博 <兵庫県精神障害者連絡会>
oototoro.gen.gan@nifty.ne.jp
http://homepage1.nifty.com/takamitousou/

7月6日(土) 「街」日誌

7・5 国会行動 写真速報
「街」から、仁君、ヨッシー、サクちゃん、洋平君、タガミさん、チューやん、ダイちゃん、トミタさん、フッ君が参加

 アピールするダイちゃん、チューやん、サクちゃん
 弁当を食べるダイちゃんとみんな 傍聴から戻り発言するトミタさん

傍聴記/トミタ
 12時20分 午前中の山の井氏の質問が佳境に入った時、
 突然彼が「一体ここはなんだ。大事な審議をしているのに賛成の与党は誰もいないじゃないか! 委員会は成立しているのか !! 議長、数をかぞえろ!」と叫んだ。
煮え切らない答弁や型にはまった人をこばかにしているような坂口や森山の答弁に怒るたまっていた傍聴席に火が付いた。

 「何、考えてるんだ」
 「300万の精神障害者の未来がかかってるんだぞ」前列にいた女性当事者2人と、
 その後ろの私を含めた女性3人も叫んだ。「出入り口を閉めろ! 電話をかけて呼び出すのか」
 すかさずとんで来た守衛に対して「
拘束するのか! してみろ!」
 守衛は「ただお願いしているだけです」
 「学級崩壊状態じゃないか!!」
 最後列にいた自民党の議員が脅しをかけてきた。「ルールはまもれ」

 我慢できずに叫ぶ「
ルールを守ってないのはお前たちじゃないか。この状態はなんだ!!
 「主権者をばかにするな!!」
 そして、フッ君のトドメの一言「
廃案だぁーっ!!
 こうして午前中は散会となった。

 興奮して外に出てくるとヨッシ−をはじめ街のみんなの迫力ある歌声が聞こえてきた 
 「
ふざけんじゃね−!!ふざけんじゃね−!
 歌声にびびったのか、警察の隊列があせって集まってきた。

 午後は反省して静かにしてました。
 傍聴券をとってくださった議員の方すみませんでした

★傍聴隊とライブ隊に分かれ、ヨッシー達は、議員会館前で、抗議のライブを続けた。曲の合間には、トラメガでアピールをした。
 さすがにうるさかったのか、珍しく警官隊が「排除するぞ」と言ってきたが…

 社民党の山内恵子議員が「あなた達の歌、良いわね。一緒に写真を」 アピールする洋平君
座り込みをしていた、有明海の漁民の人たちが、声援を送ってくれました
「街」の夕食はカレー 豆腐サラダとポテトサラダ  フルーツ杏仁豆腐

合同審査傍聴の感想/山本さん
本日の合同審査を傍聴しました。初めてでしたが、この国は議会を傍聴に来る国民というのは、「何をするか分からない危険な者」とでもされているのか、と思うほど厳重な警備でびっくりいたしました。もしかしたら、議会傍聴などする人間は不届き者に決まっている、とでもされているのかもしれません。まともな政治が行われていない証拠かも。

ところで、今日の質疑で、大臣二人はとんでもない発言をしたと思っています。あすにでも録画で確認したいと思いますが、自由党の佐藤さんの質問「この法案の運用で被害が出たときには国は賠償するなど責任をとると言明すべし」に対し
森山さんは「被害というのは分からない社会復帰と医療であるから」、坂口さんは「そもそも対象者は犯罪を犯した人であって、被害というのはわからない」などという趣旨の発言をしました。

佐藤さんが誤った予測に基づく拘禁の事をさして「被害」といったのかどうか不明確ですが、仮にそうだとすると、予測可能性の問題あるいは擬陽性での拘禁などどうでもいい、ということになります。また特別施設内での人権侵害や医療被害は、犯罪を犯した人(厳密にいえば犯したとされた人)は甘んじろということになります。

仮にも人権擁護をその一つの仕事としている法務大臣の発言としては断じて許容できません。厚生労働大臣にしてもそうです。何度も彼らのいっている、適切な医療や適切な判断というものの嘘が明らかです。

上記の発言が確認できるとしたら、直ちに二人の罷免運動をしなければと私は考えます。

なおさらに瀬古さんの、「社会復帰施策が不十分というか無策なのに、この法案の対象者が社会復帰できるのか、7万人以上が社会的入院ではないか」という追求に対し、坂口さんは「中間施設も必要ではないか」と発言しています。

坂口さんの言う「中間施設」はイギリスの中度保安施設、地域保安施設のことなのか、あるいは対象者専用の社会復帰施設なのか分かりませんが、隔離拘禁施設の増大のおそれというか展望をすでにもっているのではと推察されます。
もちろん財政とのからみですから、むしろこの法案の施設をひたすら増床していくことも当然考えられますが。
7/4(木)
ウララちゃん母からのお中元 m(__)m 深滝さんの差入れ。南部せんべい 交通博物館に行ったお土産。
寝台特急「カシオペア」

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