オープンスペース街・日誌


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2002年7月B

7月12日(金) 「街」日誌
 7/11 朝日新聞の「医療観察法案 、成立断念」の記事で看板づくり。地域の人たちは皆、大喜びでした。今年3月
以来の「街」の総力決起で、「通常国会場所、寄りきり\(^o^)/」 応援して下さった皆様、ほんとうにありがとうございました。
 小泉政権が今国会での成立を狙っていた有事法制と共に、医療観察法案は民衆の怒りの決起で跳ね返されつつあります。
全日空搭乗拒否事件の勝利も経験した、「街」のみんな・地域の人たちは、「闘えば勝てる!」「社会の主人公は私たちなのだ!」
という真理を心の底から実感しています。そして一人一人が、そうした勝利を通して成長してきました。
 このことが1月、沖縄・名護市長選への総力決起を始めとする、2002年前半の「街」の闘いの最大の総括点です。名護市長選の後に
こう書いた。

  「街」「ジュゴンの家」は本当に名護市長選を闘えて良かった。そして、やり抜くことの中で一人一人の足りない部分も知ることができた。
  更なる飛躍のための宿題として、選挙後、点検し、ただちに新しい挑戦を始めている。

 あれから半年、死闘の6ケ月間とも言える闘いをやり抜いた「街」は、「更なる飛躍」を創り出し、勝利の確信をガッチリと握りしめた。この
確信を持って、2002年下半期、有事法制、医療観察法案を廃案に追い込むまで闘い続けたい。
 昼食は、勝ったので「カツ丼」  差入れのお煎餅  「街」横で店を出していた人から桃の差入れ
 タカちゃん  ガンちゃん
 暑さなんてぶっ飛ばせ。確信に燃えて、今日も有事法制、医療観察法案反対「街」前アピール
サクちゃん オヤジさん(元ペチャンコ) チューやん
則子さん  なぜかズンだれているように見えるトミタさん
 夕食は、韓国・冷麺 写真うつりが暗いるガンちゃんと明るいオヤジさん

与野党国会議員の皆様
 「心神喪失者等医療観察法案」の衆議院での慎重審理をお願いします。

 いままでの審議を全部聞いていますが、国会議員の方の質問項目もいまだ半分も進んでおらず、参考人質疑も十分に尽くされたとは言えず、まったく未消化のままです。とりわけ、山上参考人と中島参考人の論議は、かみ合う所までも行きませんでした。中島参考人が山上参考人の論理は以前にすべて反証し尽くしたものだといっておられたのですが、国会審議の中ではその点は全くできなかったわけです。この賛成・反対両者の議論が十分に尽くされることをお願いするしだいです。

 私たち、「精神障害者」の立場から言った時、「精神障害者」の全部が「心神喪失」になるわけではないし、「心神喪失者」のすべてが犯罪につながるわけではありません。不幸にして犯罪につながった時でも、「心神喪失等」を認められたときには、裁判で無罪になっているか不起訴になっている人であり、その方は犯罪者ではありません。無罪・不起訴になっているのですから、その方は「病人」として医療に付されるべきものです。

 ところが、坂口大臣の答弁によれば、この法律では、「医療では無い面の矯正治療」がされるといわれました。「病気の治療」ではなく、刑務所等で行な
われるような「矯正」がされるということです。政府は「この法案では社会復帰のための医療が行なわれるのだから保安処分ではない」と言ってきました。ところがその医療の中身は「矯正治療」だと言うのです。「矯正治療」は保安処分そのものです。しかも、収容先で何が行なわれるのかはいまだ明らかにされていません。

 このように、法案の中身自体がいまだ全く明らかになっていないのです。私たち「精神障害者」が、この法案が保安処分ではないのかという不安に陥っている中身がいまだ全く審議されていないのです。

 政府は拙速を避ける意味でも、十分に慎重審理を尽くされることを切にお願いします。

とりわけ私たち「精神障害者」が陥っている不安を解消するため、「精神障害者」自身の発言の機会を与えてくださるようにお願いします。発言を求める「精神障害者」は、
 「心神喪失」に陥ったことの無い「精神障害者」、
 「心神喪失」に陥ったことがあるが犯罪にはつながらなかった「精神障害者」、
 不幸にして犯罪につなかったことのある「精神障害者」、
 「心神喪失」のための犯罪で被害者となったことのある「精神障害者」です。

「心神喪失」による犯罪で瀕死の重傷を負われながら保安処分に反対しておられる「精神障害者」も実際におられるのです。とりわけ後者三つの「精神障害者」の真実の声をお聞きいただいて、私たちの不安を取り除いて下さることを切にお願いするしだいです。実際の体験のなかからなぜ新法に反対しているのかを充分にお聞きいただきたいのです。

 このような「精神障害者」の将来を大きく左右する重要な法案が、充分な審議も尽くされず、ただ単なる数の論理で持って成立するとすれば、国会はその存在の意義を全く失います。今までの審議そのものも全くの無価値、無かったことになります。ぜひ虚心坦懐に議論を尽くされ、真実はなにか、どのようにすることが一番の方法なのかを吟味くださることをお願いします。どうかよろしくお願いします。

高見元博 <兵庫県精神障害者連絡会>
oototoro.gen.gan@nifty.ne.jp
http://homepage1.nifty.com/takamitousou/

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)」の
国会審議に抗議、廃案を求めてハンストを決行します !
 今国会に上程されている「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(案)」は現在衆議院法務委員会で審議されていますが、近く採決がなされようとしています。私たちは政府与党案についても、又、民主党案についても、ともに賛同できません。両案ともに精神しょうがい者の人権を奪い、特定施設(病院)への長期拘禁・隔離を目論むものであり、まさに精神しょうがい者に対する人権侵害法であると強く抗議します。

 私たちは5月26日に約80人の参加者とともに京都の地(洛陽教会)で抗議集会を開き、参加者一同の抗議文を採択し、各関係団体に送付しました。抗議集会後、京都地裁前まで抗議デモを行ない市民にも法案廃止を呼び掛けました。

 しかしながら、法務委員会での国会審議を見ていますと、精神しょうがい者が社会のなかで差別と偏見に日々苦悩している現実や、医療と福祉の貧困のなかで命と向き合いながら葛藤して生きている実態を充分に認識したうえで審議が進められているとはとうてい思われません。かつて、今も社会防衛を目的として精神しょうがい者が病院に隔離・拘禁させられ、その医療現場においてどれほど多くの病者が命を奪われていったかわかりません。精神しょうがい者の人権を守り、社会で共に生きることを願う当事者や市民の声を無視して、早急に法案を成立させようとすることは絶対に許せません。私たちは「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」の法案に強く抗議し、ハンスト行動をもって法案廃止を要求し、みなさんに賛同と支援をお願いします。

決行日   2002年7月18日(木)午後5時より19日(金)午後5時迄の24時間
決行場所  めぐみホーム 京都市伏見区銀座1丁目360

ハンスト決行者&支援者募集!
ハンスト決行の趣旨に賛同して、ハンストを実施してくださる人を求めています。さまざまな都合で、めぐみホームで決行できなくとも、自宅や職場でハンストを決行してくださる人も募っています。「ハンスト決行者の抗議声明」に名前をつらねてください。

 また、ハンスト決行中に大手筋商店街において、ビラまきも実施します。抗議行動に支援してくださる方を求めています。当日、めぐみホームに来てくださっても結構ですが、できれば前もって主催団体の連絡先にファックスでお知らせください。

ハンスト突入集会 7月18日(木)午後7時 めぐみホームにて

主催団体:京都精神しょうがい者の人権を守る会
TEL&FAX 075−605−4210

以下署名

富田ファミリー・済州島 の旅
済州島  チェジュへ
 1943年4.3  ここ済州島では単独選挙反対闘争で全人民が蜂起した。そして、米韓軍はそれに対して大量の軍隊や反共青年団の殺し屋を動員して、見境なしに 虐殺を行い、全島民の三分の一ともいわれる人々が犠牲にされた。

 これに対し済州島民はハンラ山にたてこもるパルチザン部隊を生み出して闘い頑強な抵抗を続けた。この抵抗は後方から兵士を支える人民の厚い層につつまれて 何年も続けられた・・・・・・

 こんなすごいところにワールドカップ観戦という軽薄な理由であれ訪れることができたことはラッキーだった。
 済州島はもともとはタンラという独立国であったことやその歴史、気候が沖縄に似ていた。香川県より少し小さいくらいの面積は思ったより広い。「第一次産業と第3次産業しかないから あまり海が汚れない」というガイドさんの言葉どおりその海は美しかった。

 ただ ワールドカップ用につくられたソギポ市のりっぱなスタジアムと済州市を結ぶ昨年作られたばかりの高速道路は沖縄のサミットを彷彿させた。

短時間の滞在で、ハンラ山にはいけないどころかワールドカップ観戦以外何もできなかったがウンミーさんという日本語の堪能なガイドさんから色々な話を聞くことができた。

 火山島で有名なように火山岩の上に覆われた土で行われる農業は70パーセントがみかん畑で車から見える木は愛媛県のみかんの木と同じように見える。途中でよってもらったビーチでは海の家のようなところで海女のおばさんが潜って取ってきた小さなたことほやとさざえが洗面器の中で動いていた。これらの農海産物以外の収入は観光。韓国のハワイと呼ばれるここは韓国の新婚旅行のほとんどがここに来るらしい。(最近は海外に行く人が増えた)そしてあとの観光客は日本人と最近増えた中国人だそうだ。日本人はここでゴルフをやりエステ、買い物、そして歓楽街で遊ぶ。経済のある面を支えているとはいえ恥ずかしいはなしだ。そして日本語が通じることが多い一方で私は韓国語を一言も話せない。この現実は何をあらわしているのか。

 ウンミーさんといっしょに海を背にして"人の世"の旗をもって写真をとった。
 日の丸・君が代に反対している話をした。ジュゴンを守り、基地をなくすために沖縄にいる息子の話をした。彼女は有事法制のことを知っていた。「ただここの若者たちは徴兵制はあるものの近年戦争といった緊迫感がないので就職のことばかり考えている」と語る。ユージくんのはいっているCDを進呈するととても喜んでくれた。日本料理の修業をしている弟と一緒に聞きますといっていた。

 1980年代の経済危機以来経済が持ち直しているとウンミーさんは教えてくれたがワールドカップの会場はガラガラだった。入場料は12000円から22800円(228000ウォン)で地元での入場者にとってはかなり高いものだったせいなのかドイツ対パラグアイ戦はゴールキーパー対決で 実際にみるとグラウンドはとても小さく感じられ、チラベルトとカーンはすぐそこにいるといった感じ。地元の小学生が招待されたのか たくさん来ていてパラグアイ・チャチャチャと応援していた。日本と違い、あまり警備の人が目だたず、のんびりしている雰囲気だった。ワールドカップ期間中に2回だけ使われた帆船型のこのスタジアムはこのあとどうするのかは話し合い中だそうだが 数万人が押し寄せることはこのあとあまりないだろうと思うと今後が気になる。帰りのソウルの仁川空港では全員靴まで脱がされるという徹底した警戒態勢だった。

 アジアに住みながらアジアのことを知らず、はじめての韓国への旅は自分の無知さを知った旅でもあった。ワールドカップへの熱狂振りはいろいろな意味で問題があるが、あのサッカーの国イタリアに最後までねばって勝った韓国の選手とドイツ相手に最後まであきらめずに戦ったアイルランドの選手に学ばねばと思う。
           
                                2002年6月   富田直子

イギリスからの訴え
サイト上でのイギリスの精神保健法案反対の署名活動の要請が来ています。呼び
かけのところだけ訳してみました。
英語のできる方署名にご協力くださいませ。
===================================
皆様へ
英国政府はいわゆる人格障害といわれる人たちを拘禁しまた「地域」での強制医療をもたらす法案を出しました。
精神保健法案反対の請願書をお読みになり署名してください。30秒しかかかりませんが力になります。
以下のサイトです。
 http://www.thepetitionsite.com/takeaction/629187504
このメールを共感してくれる方たちに転送してください。

サイモン

Dear Friends,
The British government has introduced a Bill that proposes locking up
people with so-called 'personality disorder's and also the British
government wants people forcibly treated in the 'community'. Please read
and signed the petition against the Mental Health Bill. It takes 30
seconds and will really
help.  Please follow this link:
   http://www.thepetitionsite.com/takeaction/629187504
Please forward this email to others you believe share your concern.
Thank you!
Simon
Simon Heyes
To see more about the bill visit
http://www.doh.gov.uk/mentalhealth/draftbill2002/index.htm . To email
those thugs responsible for the bill email:
mhbillconsultation@doh.gsi.gov.uk or fax them to 020 7972 4147. Or write
with comments to
Sara Raisbeck
Room 318 Wellington House
133-155 Waterloo Road
London SE1 8UG

Even the Royal College of Psychiatrists totally reject the proposals. To
read more comments about  the Bill visit:
http://www.mind.org.uk/press-room/press_page.asp?ID=195 also
http://news.bbc.co.uk/hi/english/health/newsid_2065000/2065561.stm

Joint statement from the Royal College of Psychiatrists and the Law
Society:-

"The Law Society and the Royal College of Psychiatrists unequivocally
reject the Government's current proposals for reform of the Mental
Health Act 1983.

"In our opinion, the proposals are fundamentally flawed.

"We call upon the government to halt any further attempt at legislation
based on the White Paper 'Reforming the Mental Health Act' and to begin
meaningful consultation on a statutory scheme that takes account of
mental incapacity on the successful Scottish model."

Carolyn Kirby, vice president of the Law Society:

Ms Kirby called the new measures "draconian".

"The vast majority of people who have a serious personality disorder are
already detained in secure units.

"The government admits itself that it is a very small number of people
it is attempting to catch by this legislation.
"But unfortunately it's going to have an impact on many many thousands
of other people who shouldn't be caught by it."


Simon Heyes
Mental Health User Development Worker
PO Box 2915
Wincanton BA9 9YZ

01963 31304 mobile 07740 610833

7月11日(木) 「街」日誌
 「医療観察法案」 今国会の成立断念 
 政府・与党 朝日新聞 7.11 朝刊2面
 心神喪失者医療観察法案について、政府・与党は10日、今国会での成立を断念した。

法案は衆院法務、厚生労働両委員会で連合審査されているが、民主党が対案を提出し、法律・医療の専門家や精神障害者からも懸念が出ている。このため残る会期内で衆参両院での審議を尽くすのは不可能との判断に至った。秋に予想される臨時国会での成立をめざす。

働く新カメさん  台風なのでビデオを見てました
 台風なので冷蔵庫の残り物で夕食づくり。鮭のホイル焼き、ハンバーグ・玉子炒め、ツナと
ネギのペペロンチーノ
 一人「ゆーじ君」
国会情勢について
今、国会情勢について
11日、松沢病院等の視察、
12日、午前連合審査

が決まったようです。

なお、地方公聴会は持越しとのことで、必ずしもなくなったわけではなさそうです。
今国会通過を考えれば12日に委員会採決が必要なようですが、これを強行すると参
議院での健保の成立が難しくなるとの判断から、今国会終盤に衆院委員会採決まで
持っていって次期国会冒頭衆院本会議から、というのが最も政府案を維持する道のよ
うだということです。その意味では、継続のしかたに焦点が移ったということができ
そうです。楽観はできませんが。

7月10日(水) 「街」日誌

 久しぶりの「ゆーじ君」パフォーマンス。坊主になったガンちゃん、珍宝堂ママ
 オヤツの桃  お土産の「夕子」  大騒音で飛ぶ自衛隊機
 
有事法制、医療観察法案反対「街」前アピール
 夕食は、カヤクそーめん、冷奴、ギョーザ、キムチ
不起訴率に大きな地域差 被疑者の責任能力判断 精神科簡易鑑定 2002/07/07 北海道新聞 (朝刊)
  刑事事件の被疑者の刑事責任能力を精神科医が診断する起訴前簡易鑑定で、一人の医師が担当する人数や鑑定に基づく不起訴率が地域によって大きく異なることが、法務省が六日までにまとめた初の実態調査で分かった。中には、医師一人で年間百人以上を鑑定していた例も。簡易鑑定をめぐっては「検察官の起訴・不起訴の判断が、特定の精神科医による短時間の鑑定に依存しているのは問題」との指摘があるが、調査結果はそんな懸念を裏付けた形で、鑑定のガイドラインづくりを求める声が高まりそうだ。

 二○○○年に三十人以上の鑑定を行った札幌など全国十六地検の実態を調べた。
 まとめによると、簡易鑑定を担当する医師の数は神戸地検で一人、大阪、水戸地検で各二人だったのに対して、千葉地検は三十一人、横浜地検は二十八人。医師一人当たりの鑑定人数も、神戸と大阪では年間百人を超えたが、千葉は二人、横浜は六人だった。札幌地検は、医師六人で三十九人の鑑定を行っていた。

 鑑定を受けた人のうち精神障害者と診断された人の割合は、最低で41・9%(京都地検)、最高で93・0%(新潟地検)と大きな差があった。精神障害者と診断され検察官が不起訴処分にした人の割合も京都は95・5%、札幌では92・0%と不起訴になったが、新潟では27・5%だった。

 十六地検全体では、業務上過失致死傷事件を除く刑法犯三十七万七千八百二十六人のうち、簡易鑑定で精神障害者と診断された人は0・39%、千四百八十三人。七百八十九人が不起訴になった。

 今国会では、重大事件を起こしながら不起訴・無罪となった精神障害者の処遇を定める心神喪失者医療観察法案を審議中。法務省刑事局の小川新二参事官は調査結果について、「母数が小さく単年度の調査なので分析は難しい」としながらも、「医療観察法が成立すれば鑑定により厳密さが求められる。今後、専門家の意見を聞きながら勉強したい」と話している。

◇精神科医・中谷陽二筑波大教授の話 
 今回の調査で一番注目されるのは、各地域の医師数のばらつきだ。一般的に、医師数が少ないと担当医師の診断傾向が結果に出やすい。例えば年間の簡易鑑定人数が百人以上で医師数が1〜3人の大阪、京都、神戸地検を比較すると、大阪、神戸では不起訴率が50%未満だが京都はほぼ全員が不起訴と、地域により異なる診断傾向が、調査でも顕著に表れている。

 大阪、神戸では、一人で年百件以上の鑑定を担当しているのにも驚く。一件にどれだけ時間をかけているのか、疑問を感じる。検察官が恣意(しい)的に起訴・不起訴を決めているという批判があるが、検察側が精神科医の診断を無視するとは考えにくく、やはり、診断の在り方が処分の結果に大きく影響していると言わざるをえない。

◇簡易鑑定
 精神障害の疑いがある刑事事件の被疑者に対し、検察官が起訴前に精神科医に依頼し任意に行う精神鑑定。裁判所の命令で被疑者・被告を留置して行う起訴前、起訴後の「本鑑定」と違い、留置を伴わない。本鑑定は通常2、3カ月、簡易鑑定は30分から1時間で診断するといわれる。東京、大阪両地検は「精神診断室」を設けて非常勤の医師に委嘱、千葉地検では、地元の精神科医の鑑定グループが引き受けている。他地検は検察官がその都度、精神科医に依頼している。

7月9日(火) 「街」日誌
7・8 狭山1日行動に参加/フッ君、ヨッシー、チューやん記
「街」を代表して発言するフッ君
★あの憎むべき、東京高裁・高木による狭山第2次再審棄却から丸3年を迎えた7月8日、部落解放同盟全国連による狭山
1日行動が闘われ、午前10時からの星陵会館での全体集会に、「街」から4人が参加しました。
 全国から代表団約60名が集まり、最初に「狭山裁判打ち砕こう」を唄い士気を高めました。その後、アピール。
「高木決定から3年、数々の新証拠にもかかわらず、第2次再審を棄却した。それは極めて政治的な判決で『部落民の人権を
守る必要はない。部落民は何をするか分からない存在だ』との意識が根底にあると強調。田中県知事が不信任されたのは、彼が
唯一、有事法制に反対していたからであり、今後も田中知事を支援していくことを表明しました。

 特別報告として、
@最高裁の現状報告、裁判官ではなく、調査官が実質的に物事を決定している、
A伊豆長岡で全国婦人大会が開かれ、戦争と大失業、仕事・医療・住宅・教育・介護などに部落差別が貫かれていること、
 婦人が支部建設の先頭に立って、大きな役割を果たしていること、
B狭山10万人署名、有事法制反対100万人署名に全力で取り組んでいること、
C有事法案を阻止するために、アジア・沖縄・三里塚、北富士の仲間と連帯することなどの提起がありました。

 その後、参加者からアピール。「街」を代表してフッ君が発言。「高木決定と高橋判決を糾弾。今なお闘い続けている石川一雄
さんとの連帯表明の後に、今後の狭山闘争に向けて@新証拠を司法権力に突きつける、実力で最高裁糾弾闘争の貫徹、 「精
神障害者」に対する医療観察法案と狭山闘争、有事法制反対闘争は一体のもの、すべての労働者・人民が立ち上がって粉砕
しよう、そして狭山完全無罪判決・部落完全解放の日まで共に闘おうとアピール。会場から熱い拍手をうけた。
★昼食をとったあとで、12時から最高裁まで戦闘的なデモをしました。最高裁は石で作られた巨大な要塞みたいで、
とっても威圧的な建物だった。 
★要請団の20名が東門から中に入ろうとしたら・・・ 
★要請団の中に、車椅子の人がいた。すると最高裁の職員が飛んできて、「介助者を加えると21名になる。20人しか入れない」ということをオーム返しに繰り返す。以前、東京高裁へ要請行動をした時には、介助の人も入れた。しかし最高裁では「20人以上は認めない」という。「障害者の介護人を認めないのか」「こんな話しは聞いたことがない」と全員が怒りを爆発させて、職員に詰め寄った。

 公共交通機関や公共施設で「身体障害者」の利用、介助者の無料化を行っていることは、常識である。なぜ、最高裁だけが
ダメなんだ。これじゃあ、最高差別裁判所じゃないか!
  
 抗議の座り込みに入った。車椅子の男性は、70代で広島から10数時間かけてバスで参加した方だ。その人を炎天下で、一時間以上も待たせる。そんな障害者差別を行う最高裁とはって一体なんなんだ。差別や人権侵害を受けた人を救うのが裁判所の役目ではないのか。
 「20人全員が障害者だったら、何人入れるのか?」と聞くと、「その時は10人+介助者10人」とふざけた事を言ったそうだ。
 唄う「ヨッシーとジュゴンの家」。石川一雄さんが無実だと言うことを分かっていて、権力の差別犯罪をかばい続ける最高裁。
 僕たちは怒りを込めて、「差別裁判打ち砕こう」「俺は売れないロックンローラー」「さ・さ・さ・差別」などを唄った。

 一時間の座り込み・交渉後、「19人+介助者1人」で入場。「街」からはフッ君が参加。入場した後も、エレベーターは
ストップさせ、喫煙所の灰皿は撤去するとは何事だ。俺達は犬でも猫でもなく、人間だぞ!

 15:22 臼井はじめ2名の役人が入ってきて、「要請は30分ですから。15:52で終わります」と言った。ふざけるのも、
いい加減にしろ! 狭山の要請以上に、俺達は障害者差別を糾弾しているんだ。だったら時計を止めろ! あなたには
人権意識がないのか?  「障害者には請願権がないのか?」との問いに、「答弁できません」と答える。

 要請団は、各支部で作成してきた「要請文」を読み上げて提出した。(下に、部落解放同盟全国連の要請文あり)

 今日の闘いは、決して敗北ではない。障害者差別を徹底糾弾し、わずが1ミリであったとしても、反動・最高裁に風穴
をあけた。本日の最高裁内外での我々の実力決起によるものだと確認しよう。今後も闘いの手綱をゆるめずに闘って行く。
医療観察法案=保安処分粉砕、闘う国労闘争団への処分粉砕、戦争のできる国家づくり=有事立法粉砕の闘いと連動
している。狭山闘争を始め、いかなる差別・戦争を許さない闘いに共に決起しましょう。勝利の日まで共に闘いましょう!

狭山事件の事実調べと再審を求める要請文
 99年7月8日、東京高裁第4刑事部・高木俊夫裁判長がくだした狭山第2次再審請求への棄却決定を絶対に許すことは出来ない。

 石川さんは、「今も我、高木の暴挙に血潮が騒ぐ…」と、そのときの無念と怒りをうたっている。まさに、暴挙だ。われわれは、石川さんと心をひとつにして、この暴挙を徹底糾弾する。

 高木決定がもっとも許せないのは、あらかじめ「石川=有罪」という予断をもってすべてを論じたことだ。なかでも筆跡問題について書いた箇所は恐るべき予断に満ちたペテンだ。

 狭山事件では、2つの文書の筆跡が「一致する」ことをもって、石川さんが犯人だとされた。ひとつは、石川さんが逮捕される2日前(5月21日)に石川さんの家を訪ねてきた捜査官によって書かされた「上申書」。もうひとつは、5月1日の午後7時30分ごろ、善枝さんの自宅間間のガラス戸に差し込まれた「脅迫状」だ。

 この2つの筆跡が「一致した」といって、警察は石川さんを逮捕した。「2つの筆跡が一致する」といって、裁判所は石川さんに死刑、無期懲役の判決をくだし、今も見えない手錠でしばりつけているのだ。

 しかし、第2次再審請求で石川さんの側が提出した鑑定は、これら2つの筆跡は「同じ人間が書いたものとはいえない」「むしろ別人が書いたものだ」と結論した。重大なことだ。筆跡がちがえば、石川さんが犯人だといった警察や裁判所の言い分はすべてくずれさるのだ。石川さんは無実だといわなくてはならないのだ!

 高木は卑劣にも、新鑑定にふれて、筆跡のちがいを認めざるをえなくなりながら、次のようにいった。


 「…書字・表記、特にその筆圧、筆勢、文字の巧拙などは、その書く環境、書き手の立場、心理状態などにより多分に影響され得る」
 「…本件脅迫状は、
書き手自らの自由な意思表示として書かれた身代金の要求文書であるのに対し、対象資料である警察署長宛上申書は、請求人が自宅で書いたものではあるが、被害者失踪当日の行動につき警察から事情聴取を受けた者の弁明文書であり、しかも、わざわざ自筆の上申書の提出を求められたのは、被害者宅へ届けられた本件脅迫状との対比に供する筆跡を得がたいためであることが、請求人にとっても容易に推察できたはずであって…このような両文書それぞれの性格、文書作成の経緯、環境、書き手の置かれた心理的立場、状況のちがいを考慮すると、神戸鑑定書が両文書の相違点とて指摘する諸点が直ちにその書き手の相違を意味するものとは、必ずしも言い難い

 高木は、「筆跡がちがうではないか」という追及にたいして、「筆跡が一致する」とは答えられなかった。そして、事実調べを求める石川さんに対して、「脅迫状と上申書をかいた心理状況がちがうから筆跡がちがっても問題にはならない」といつて事実調べもすることなく、再審請求を棄却したのだ。

 しかも高木は、「わざわざ刑事が家にまできて上申書を書けというのは、自分の筆跡をとって犯人の脅迫状の筆跡とくらべるためだということぐらい、かんたんにわかったはずだ」「脅迫状の筆跡とちがうように書くのはあたりまえだ」と言っているのだ。あらかじめ「石川が犯人であるなら」という仮定で審理をおこなうなどということがあっていいのか!

 再審を求められた裁判官がとるべき態度とはどういうものなのか。「請求人(石川さん)は無実かもしれない」「新しい証拠、古い証拠、すべての証拠をもういちど客観的に見直し、審理しなければならない」という姿勢ではないか。高木決定のこの文面にその立場があるのか! 最高裁の裁判官は、どう思うか答えよ。

 なぜ高木裁判長が、こんな予断にみちた審理をできたのか。そのことを最高裁はよく考えるべきだ。高木は「石川は自分で脅迫状を書きながら、上申書を書かされた時はワザと幼稚な文字を書いてごまかしたのだ」と主張している。「石川はウソをつく」ないしは「石川はウソをつくというふうにえがいても批判はかわせる」という確信がなければ
このような決定を書けるものではない。われわれが差別裁判というのはここなのだ。高木が唯一、みずからの寄ってたっている根底的な確信、それは、客観的な真実でも、中立公正の立場でもない。高木が棄却決定の「支え」としているのは、今も現にある部落差別だ。

 最高裁は、「今も我、高木の暴挙に血潮が騒ぐ…」とうたった無実の部落民=石川一雄さんの怒りがわかるか。石川さんと同じような部落差別を今なお受けつづけている部落民の思いがわかるか。最高裁は、石川さんの再審の訴えに誠実にむきあい、東京高裁が1度もすることのなかった事実調べをおこなうべきだ。筆跡、足跡、殺害方法、万年筆…など、いくつもの新証言、新鑑定が出されているのに、1974年いらい、そのひとつについても事実調べもしないまま、無実の訴えが退けられてきたのだ。これが公正な裁判といえるのか。これが裁判所のやることか! 事実調べひとつ行わないことだけでも、重大な人権侵害だ。なぜ、部落民の訴えに対してだけ、事実調べもしないまま、棄却決定がだされつづけるのか!


 最高裁第1小法廷は、みずからの権限で狭山事件の事実調べと再審をおこなえ!
 検察に対して、すべての証拠を開示するよう勧告、命令をだせ!

 以上、要請する。
          2002年7月8日
                         部落解放同盟全国連合会
                         委員長  瀬川 博
大槻さん(反戦被爆者の会)が隣りにいたので、ずっとお話させていただきました。

 自分は爆心地から2キロの所で被爆。たまたま倉庫の中にいたので助かりました。
部落の人たちは、原爆の後各地へ避難した。所で疎開先で「どこからきたのか」と聞かれ、つい本当の事を言うと、「それなら部落へ帰れ」と追い出された。残留放射能でいっぱいの広島へ戻ってきた。部落民の内、約半数の6000人が被爆して死んだ。

 人は、そんな極限状態でも差別をする。
私は、差別も、差別裁判も、有事法制も絶対に許さない!

 チューやん記

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