浅野詠子著  現代書館刊行
「ルポ 刑期なき収容 
医療観察法という社会防衛体制」
良い、本だと、想います。
良く、書かれました。たいしたものです。
骨太のテーマを骨太に描ききっています。
ライターとは、ルポルタージュとは、こうでなくっちゃあ、
いけません。
ルポの本道であると想います。
今はやりのものを、薄っぺらく書いた本とは違います。
今の時代、このテーマでここまで骨太に書かれた本は
ありません。


精神関係でいえば、
保安処分というテーマを、選択したことが、たいしたものです
いまや、私はアスペルガー、タラ、
ハッタツ障害の生きにくさタラ、が、
精神や心理や福祉や教育や文芸の棚にまで、
あふれていますからね。


この本は、それらとは、まったく違う、
骨太の
ルポルタージュの本道をいく、本だと、想います。
よく、取材もされています。
今後、発達障害概念が保安処分推進論者たちによって、
どのように利用されるかも、ちゃんと描かれています。
世の中に流されていません。


ただし、「見えにくいアクジ」の犯人たちが大勢出てくるのは、それはそれで、
仕方のないことだと、は、想います。
考えようによっちゃ、あの辺のキレイごとが、
タイヘンによくわかる1冊です。
著者の視点に、反対だった、ノガ、いつしか推進に、という
トコロが、ありますから・・・・・・
この本を切っ掛けに、あの辺が、
さらにどうなっていくのが、おもしろいところです。


最終章は、
特筆すべきと、想います。
最終章に書かれている取り組みは、
それを、この本の結論的意味合いに、持ってきたあたり、
著者の視点が、奈辺にあるか、
あったのかが、よくわかり、
とてもよいと想います。
キーサン革命の鬼えばっちとしては、
大変おすすめできる一冊です。


世の中の動きに流されず、
今のイマ時に
保安処分、観察法病棟、医療観察法、
のゲンジツとシンジツを見直しませんか。
世の中の動きに掉さして、
反保安処分の闘いを強めませんか
そして精神病院の
閉鎖病棟、保護室、電パチ、五点張りを、クスリのぶち込みを、
看護師の暴力を、
もう一度、糾弾しませんか。


未来は、精神病患者会の活動にアルのカモシレナイ、
という
実に、いまや、化石のようになりかかっている
セーカツと革命を、再発見できるようになっています。
笠陽一郎医師は、別の意味で、
患者会を、最終章だナドと
言ったわけですが、
この著者は、この本の最終章にて、
観察法と闘いぬいて、
一人のなかまを
観察法の魔の手から、取り返してきた取り組みに、
未来を、見ているようです。
稀有な、実に、稀有な、結論です。



このメールは、ドンドンと、拡大していって頂けると、実に、ありがたいです。
よろしくお願いいたします


2014年6月20日
前進友の会 えばっちより



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