『障害者自立支援法』に反対する!!
 私たちは精神病者・「精神障害者」だ。私たちは『障害者自立支援法』に反対する。
 
 私たちは30年間患者会として、地域で生活をしてきた。また、「小規模作業所」も設立して、《なかま》ができるだけ地域で《自立》して生きられるように努力してきた。年々財政的にも厳しくはなってきていた。
 
 しかし、この「法案」が上程されてから、私たちの患者会・「作業所」は大変なことになった。とりわけ「作業所」維持のための事務作業が猛烈に膨大なものとなった。しかも、この「法律」の施行と機を一にして「行政」は「作業所」に法人格をとることを迫ってきた。だから私たちの「作業所」もNPO法人格を取らざるを得なくなった。そのための事務作業も膨大なものとなり非常に大変なことになった。本来の患者会・「作業所」がやるべき、《自立支援》・《生活支援》・《支え合い》がおろそかになってしまい、余裕が無くなってしまった。そして、この状態はこれからもずっと続く。今までは必要の無かった事務仕事が猛烈に増え、患者会の生活が圧迫される。
 
 これは、明らかに、「作業所」潰しであるし、特に小さな当事者が中心になってやってきた「作業所」はどんどんつぶされ、統合して『福祉』に使うカネを削減しようとする『構造改革』だ。そして、この「法律」は今まで私たちが確立してきた《場》のありかたも変える。つまり、私たちの患者会・「作業所」では、みなが《支え合って生きる》ことを目指し、それが本当の《自立》だと考えて実践を行ってきたが、この「法律」では『施設』と『サービス』の「供給者」と「受益者」とを明確に分けてしまい、私たちの実践の邪魔をし《なかま》を分断する。そして、向かうべき方向は『就労支援』という名の『社会復帰』であり、それに対立する行為は『福祉』の名のもとに切り捨てる。そして、この「法律」の内容から言って、もう明らかなことだが、近い未来に『介護保険』と統合されるだろう。そのとき、無拠出(保険未加入者又は保険料の未納者)の病者・障害者は全く『福祉』の対象から外され、切り捨てられるだろう。そういう時代がもうすぐ来るのだ。その前段のための『三障害統合』ではなかったのか。

 そして、この「法律」によって、「32条」が『自立支援医療』に急に変えられたときは本当にしんどかった。5パーセントから10パーセントに負担が増えたのは確かに痛いが、それよりも、いきなり受給者全員に大量の書類が送られてきて、手続きをしろというのは私たち精神病者にとってはきつかった。たくさんの人たちが病状を悪化させた。そして、この受給者証を毎回の受診に必ず持ってこなければいけないことや、病院名と薬局名が書かれているので、簡単に病院や薬局を変えられないことも大きい。私たちには自由に医療を受ける権利も無いということか。

 私たちは反対する。『社会復帰』・『就労支援』に反対する。
 『介護保険』に反対する。
 『障害者自立支援法』に反対する。

 私たちはこれからも、患者会の実践・《支え合って生きる》実践、本当の意味で《自立》するための実践を行ってゆく。
 そして、それを可能にする《場》をこれからも維持してゆく。

 私たちが《生きてゆく》ことを邪魔するあらゆるものに対しては、これからも闘ってゆく。《生活》してゆく。医療従事者達よ、電気ショックを四肢拘束を保護室を薬物大量処方をやめろ。
2006年4月20日
京都市山科区日ノ岡坂脇町7−5 日ノ岡荘二階 みんなの部屋     
前進友の会

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