2003年7月11日

私たちの未来を返せ 心神喪失者医療観察法案」成立
 7月8日衆議院で「心神喪失者医療観察法案」が成立通過しました 。大変な時代がきました。私たちの未来は奪い取られました。本当に精神病者の声を踏みにじって、最悪の「精神医療」が、許される国になりました。

 「この国に、生まれたる不幸」そういった人が、明治時代にいました。時代がどう変わろうと「この国」は変わりません。どれだけの人が、この国で嘆きのうちに死んでいったでしょうか。
 かっては「犬小屋」のような小屋に入れられ、警察の許しがあれば、家で閉じこめることができたのです。そして、次には暴力で押さえつけられ、脳を切り刻まれました。近年になって、薬物療法が始まりました。その「近代医療」も、根本的には何ら変わることのない「非人間的医療」です。

 みなさんは本当に、精神病院を見たことがありますか。

どんなところか知ろうともしていませんか。精神病院には医者や看護者が、一般病院と比べて3分の1しかいません。
病室は、生活のすべてがただぴっろい畳敷きだったり、昼間は布団がないところだったり、刑務所のような鍵のかかる個室、 蚊取り線香でたばこの火がつけられ、食事が朝、昼、夕3食が8時間のうちに食べさせられるところ、ふらふらになるぐらい薬を飲まされ、電気ショックが行われるのです。ロボトミー手術のため、夢や希望も無くなった人もいます。刑務所よりひどいところです。刑期があるだけましです。30年40年と閉じこめられている人もいます。これが「近代医療」です。
 
 それなのに、この「医療観察法」で、 病者は「なにをしでかすかわからない」人間として、まさにレッテルを貼られ、それがいやなら働けと脅してきます。私たちだって働いてふつうの暮らしがしたいです。しかし,この国では、法律で様々な制限が精神病者には付けれれています。公衆の場所に立ち入ることすら禁止されているのです。そうして薬や注射のため、いつも副作用に苦しんでいます。病気をおして働くことは身を切るぐらいツライのです。差別のため病気を隠して働かねばなりません。その苦しみは、大変なものです。自殺する人もいるのです。

 私たちの未来は奪われました。

「医療観察法」は、ナチスの人種差別、抹殺と同じです。役に立たない人間は殺されてしまいます。病気の苦しさをなおしてくれる、病院、福祉施設はなくなります。いらない人間は、医療観察施設に収容され、一生出してもらえなくなります。人間として、地域でささやかな人生を送ることすら、否定されるのでしょうか。

私たちは、訴えます。私たちは、闘います。

精神病者への言われ無き差別を、やめてくれと。精神病者は、人間だと。私たちは、泣き寝入りはしない、自ら未来をつかみたい。それは苦しい闘いでしょう。でも、今この「医療観察法」が、多くの病者を切り捨てるものである以上、この法律を許しません。 

そうして、明治時代と変わらない、「精神医療」を、許しているこの国を変えなければなりません。悪法に隠れて、金儲けに奔走し、差別の温床である悪徳病院を、許してはならないのです。電気ショックで殺された人、四肢拘束でのどに吐いたものを詰めて殺された人、薬が多すぎて悪性症候群で殺された人、ロボトミー手術で殺された人、暴力を受け殺された人、そうした仲間がたくさんいます。安心してかかれる病院もこれから無くなるかもしれません。それでも生きていきます。一人の人間として、差別に負けず、未来を握りしめます
  
前進友の会
京都市山科区日ノ岡坂脇町7−5
075−591−7926

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