オープンスペース街・日誌

2004年4月G

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メール・アドレスを、dugonghouse@yahoo.co.jp に変更しました。
 ヨッシーとジュゴンの家    4月参加スケジュール!
4月28日(水) 「まよなかしんやライブ」
 オープンスペース「街」(西武新宿線「武蔵関」駅下車) 19:00〜

 1000円
4月29日(木) 「命どぅ宝・平和世コンサート18」
上野水上音楽堂 13:30開演  13:00開場
前売2000円 当日2500円 中高生1000円





4月28日(水) 「街」日誌

14:00  現地より、緊急!!   
警察の車両が4台に増えています。前回も防衛施設局が来たときは警察が増えま
した。沖合い2キロに海上保安庁2艇が猛スピードで走っていきます。辺野古を通り過
ぎていきましたが、予行演習だと思われます。
緊張が高まっています。
現在午後2時30分、防衛施設局が9人で来ています。応用地質の作業員はきて いな
いのでその9人と私達の代表とで話をしています。 あつまれる方は至急辺野古へ。
現地より4月28日午後5時45分。 さきほど午後2時30分に防衛施設局が辺野古漁港に来ました。こちらの代表が対応。 今日から基地建設においての「方法書」が開示されることもあって話の中には「 なぜ 情報開示が限定されるんだ」「住民投票のことが抜けている」との声もありました。 防衛施設局は今回も一方的に「作業を再開させなさい。退去しなさい。」という こと を要求してきました。 わざわざずさんな資料を提示して(これは1年も前の資料)こちらに対して説明を 行い ました。 「説明会を開いている。私達は一方的ではない。」とマスコミにアピールし、既 成事 実を積み上げているようにしか見えませんでした。 施設局職員が「私達は説明会をしっかり踏まえてここにきている」というので「 じゃ あなぜ話を聞きにきた住民を説明会から排除したのか。」というと黙っていまし た。 「間接民主主義だからこの国は・・」などとまるで官僚じみた言葉を言うので山 内徳 信さんが切々と「民主主義」について説教を行っていました。 路上に座り、炎天下の中、1時間以上に渡って交渉を行いました。 結果今日も防衛施設局の行動を阻止するにいたっています。
4・28 阻止行動日誌 辺野古より
4月28日(水)
70人もの人達が今日も集い、座り込みを開始。全員がマンネリ化せずに緊張感を持った面持ちで整然と座り込みをしていました。

午後2時30分に防衛施設局が辺野古漁港に来ました。こちらの代表が対応。今日から基地建設においての「方法書」が開示されることもあって話の中には「なぜ情報開示が限定されるんだ」「住民投票のことが抜けている」との声もありました。

防衛施設局は今回も一方的に「作業を再開させなさい。退去しなさい。」ということを要求してきました。わざわざずさんな資料を提示して(これは1年も前の資料)こちらに対して説明を行いました。
「説明会を開いている。私達は一方的ではない。」とマスコミにアピールし、既成事実を積み上げているようにしか見えませんでした。

施設局職員が「私達は説明会をしっかり踏まえてここにきている」というので「じゃあなぜ話を聞きにきた住民を説明会から排除したのか。」というと黙っていました。
「間接民主主義だからこの国は・・」などとまるで官僚じみた言葉を言うので山内徳信さんが切々と「民主主義」について語り、「住民説明会を開くことは義務である」と訴えました。住民説明会は最低限やらなければならないこと、それさえもまったくなく、基地建設を進めようとしています。住民には判断する材料さえ与えないのか、基地建設がどんなものなのか住民にわかってしまい反
対されるのが恐ろしいのだろう。そんなことは絶対に許さないという意思を伝えました。

路上に座り、炎天下の中、1時間以上に渡って交渉を行いました。結果今日も防衛施設局の行動を阻止するにいたっています。

今日の昼ごはんは「団結パパイヤ チャンプルー」とごはん、梅干にゆで卵。まるでお弁当屋さん並です。

午後、おばぁたちが来ていました。あるふぁさんが撮っていた今日の防衛施設局とのやりとりをビデオ上映しておばぁ達に見せました。
「今日は勝ったよー」と言うと、「本音では勝っていないさ。これからよ!!」と92歳のヨシおばぁが檄を飛ばす。おばぁ達は本当にすごい。90歳にもなると人間を超越している感じです。
「無理せんでがんばろうねー」と言うと「何言っている、元気さ!!」とおばぁみんなに言われました。

でも気を使っているのだと思ったりしています。
泊り込んでから11日間が立ちましたが、明日も命がけで精一杯がんばろー!!
 神保さんから差入れの漬物
 沖縄のビデオを見ました。   今日も支援カンパが続々と集まりました
ハイサイ(^_^)v 
まよなか★しんやさん、到着
 お土産です (^o^)丿  島バナナを食べるトミタさん
夕食を食べる  7時すぎ、「ヨッシーとジュゴンの家」の前座がスタート
 唄うヨッシー 唄うSAORIちゃん  聴くしんやさん
 佐竹さん  「私が愛した街」の弾き語り  焼酎を飲むミッちゃん
 午後8時、まよなか★しんやさんのライブスタート
 しょうちゃん到着。嬉しがるリンタロウ  コスタリカ人のアルが★しんやさんに会いにきました。
「おならの歌」にうける洋平君 辺野古の阻止行動日誌を読み上げる 1時間半の熱いライブも終わり
打ち上げ
珍宝堂の社長から差入れ
 帰るアルと再会を約束する



4月27日(火) 「街」日誌

朝、早速沖縄ボードを作って、 店の前に貼りました! 沖縄の農家の方からいただいた島ラッ
キョ
みんなでむきました。 沖縄物販をいっぱい買ってきました! オススメ!ミミガーチップ「ミミスター」
物販につける値段表を切るエミちゃんとおおやじさん 今日の昼ご飯は鮭
といろいろ なごうさんから黄色いミニトマトをいた
だきました!
プリントアウトしたジュゴンの家日誌を
まじまじと見る服部さん
←雨中のお散歩の後、たかちゃんが
リンタローの足をふいているところ。






             今日の夕ご飯→



沖縄そば! 鮭炒飯もあります おいしー!



辺野古から。
4月27日(火) 今日も阻止行動は続きます。午前5時にはたくさんの人達が集い、約70名が座り込みました。参加者に全国から来た激励の文章を読み上げます。拍手が起こる。思いをこめた文章ほど迫力を感じます。 座り込みをしてから2時間、午前8時50分「きたぞー!」と声が上がる。びっくりして事務所から飛び出す。漁港は「鉄の鎖」を組む私達の迫力で騒然とする。漁港入り口で代表者が防衛施設局土木課の和泉課長以下7名と「応用地質」(ボーリング請負業者)の責任者岡本氏の9名を対応しました。 「資材置き場が建設途中になっており、安全が気にかかるので現場を確認させて欲しい。柵を補強させて欲しい」との施設局の言い分に対峙する夏芽さん・大西さん。「安全が気になるなら撤去しましょう。お手伝いしますよ」「建設途中な事が問題なのではなく、あんな物を作る事自体が問題なんだ」「『防衛施設局』とは一体何を守るんですか。大切な海を埋め立てるなんて、これじゃあ破壊施設局じゃないか。」「あなたたちが来る事で、私たちがどれだけ緊張と不安を強いられているかわかりますか」 その後も山内徳信さんが入り、沖縄戦、イラク侵略の話にまで発展させて訴えます。夏芽さん「私が行ったイラクのファルージャで、辺野古のキャンプ・シュワブから飛び立った米兵が、イラクの人達を殺しているんです。私はイラクの人に何て言えばいいんだ。もう決まった事だから基地は作りますよー、とでも言うのか?答えてください!!!」 1時間にわたる交渉の結果、防衛施設局は立ち去っていく。大西さんが「友好的な話し合いを持ちたいなら事前に連絡を入れてね」とあいさつ。土木部長は「はい」と答えた。本当に事前に連絡を入れてくれるのだろうか。???? 午後、団結てんぷらをほおばりながらこれまでの疲れを癒していると、座り込みの人々が立ち尽くしている。びっくりしてまたも事務所から飛び出す。漁港に「応用地質」の責任者岡本氏がまたもあらわれる、今度は1人で警察官から守られている。いきなり、作業場建設場を写真に収め始めたため、「ちょっと待ちなさい」と代表者がまた話をする。写真撮影していた理由は「写真を撮り、給料を要求しなければならないので来た」とのこと。私達としても労働を請け負った会社の人達が給料を要求することに物を言うものではなく、むしろ権利だと考えるので、それを見ているということにしました。しかし、現場がかなりの緊張関係にある中で混乱を招いたことは確かで「もしそういうことがあるのなら説明をして欲しい」と話した。しかし、警察の対応、ふるまいはエスカレートしている。意図的にやっているのは見え見えで相手にしているものはいないが。この責任者との話し合いの時に周りに対し「警告」を発した。完全な脅しであり、認められるものではない。業者の責任者は写真をいくつか撮り、帰っていきました。緊張は続きます。 それからは動きはなかったが何かとやはり、落ち着かない。毎日が一ヶ月にも感じます。しかし、負けられない!!
現地より報告。4月27日(火)午後3時
午後1時15分にボーリング調査を請け負っている「応用地質」の責任者岡本が 警察 何人かと1人で漁港にあらわれました。 こちらになにふりかまわず写真を作業場建設場所に向けているので「ちょっと待 ってください」ということになりました。 写真撮影していた理由は「写真を撮り、給料を要求しなければならないので来た 」とのこと。私達としても労働を請け負った会社の人達が給料を要求することに物を言うものではなく、むしろ権利だと考えるので、それを見ているということにしました。しかし、現場がかなりの緊張関係にある中で混乱を招いたことは確かで「もしそういうことがあるのなら説明をして欲しい」と話した。 しかし、警察の対応、ふるまいはエスカレートしている。意図的にやっているのは見え見えで相手にしているものはいないが。 この責任者との話し合いの時に周りに対し「警告」を発した。完全な脅しであり認められるものではない。 業者の責任者は写真をいくつか撮り、帰っていきました。緊張は続きます。

沖縄・名護ジュゴンの家日誌から
ボーリング調査阻止・座り込み9日目
防衛施設局が来ましたが4月27日(火)現地、午前10時報告。
先ほど、午前8時50分に防衛施設局と業者が10名ほどで漁港に来ました。用件は「作業場の強化をさせてほしい」とのこと。「容認できない」とこちらの代表者。「撤去するなら歓迎する。」と伝える。1時間ほどのやりとりがあり、こちらは戦争の問題にまで発展させ説得。午前10時になり、こちらの説得に応じる形で引き上げていきました。最後に大西さんが「有効的な話し合いを望むのなら事前に連絡を入れてね」と言っていました。「はい」と答えていたからしてくれるのだろうか。
今日は4時半に辺野古に来ました。ちょっと早すぎたかな・・・ うららちゃんが東京土産に篠原さんにあげたサンダル。 朝、新聞をチェックする夏芽さん。「読谷でジュゴン混穫」の記事が載っている
体の筋を伸ばす悦美さん。かるーく足が上がる 腕立て伏せをする人 「私たちも腕を鍛えなきゃっ!!」と
悦美さんと篠原さんも腕立て伏せを始める
那覇市議会議員・高里鈴代さん 雨が降りそうなのでブルーシートで屋根を作っておく。手際よく作業する男性陣。 ひょいひょいっ!!と小屋の屋根まで上って行く鍋島さん。
朝の集会。
東京から杉並区議会議員の新城せつこさんが来ています
上空を轟音をたてて飛ぶ米軍戦闘機 座り込み開始
キャンプ・シュワブ内・那覇防衛施設局の監督官事務所。こちらの様子を監視しているはず 宜野湾・伊波市長の後援会会長 施設局らが突入してきた時の練習
差し入れの有機トマト
      

       あまくておいしーい!!!
当山さん・仲村善幸さん 午前8時50分、防衛施設局が来る
「資材置き場が建設途中になっており、安全が気にかかるので現場を確認させて欲しい。柵を補強させて欲しい」との施設局の言い分に対峙する夏芽さん・大西さん。「安全が気になるなら撤去しましょう。お手伝いしますよ」「建設途中な事が問題なのではなく、あんな物を作る事自体が問題なんだ」「『防衛施設局』とは一体何を守るんですか。大切な海を埋め立てるなんて、これじゃあ破壊施設局じゃないか。」「あなたたちが来る事で、私たちがどれだけ緊張と不安を強いられているかわかりますか」 私服警官がいっぱい
責任者の土木課長 説得の様子をビデオで撮る
大西さん 山内徳信さんも説得に加わる
「沖縄は戦争を経験してきた場所なんだ。基地を作るなんてやめるべきだ。
夏芽さん「私が行ったイラクのファルージャで、辺野古のキャンプ・シュワブから飛び立った米兵が、イラクの人達を殺しているんです。私はイラクの人に何て言えばいいんだ。もう決まった事だから基地は作りますよー、とでも言うのか?答えてください!!!」
長い長い説得が1時間以上続く。根気強い働きかけの末、施設局は帰ることになった。
「市民アセスなご」の森山さん、浦島さんが、緊急で集めた、調査延期を求める署名3352人分を施設局に渡す 施設局が帰ったぞーーー!!!
座り込みの場所で警戒しながら見守っていた人達が、拍手で迎える!!! 報告。「施設局に、話し合いにはいつでも応じる。今度来る時は前もって連絡してくれと言っておきました。そうしたらこちら側も余計な緊張をしなくて済むのだから・・・・」
新聞より

<普天間代替>反対派、中止の署名提出

ボーリング調査延期を求める署名を施設局の職員に提出した地元の有志ら=27日午前9時50分ごろ、名護市の辺野古漁港

 【名護】普天間飛行場代替施設建設に向けたボーリング調査を阻止しようと反対派の住民、市民団体は27日午前7時から、名護市の辺野古漁港内で、約60人が9日目の座り込み行動を開始。午前8時40分すぎ、訪れた那覇防衛施設局の職員に、全国から集まった調査延期を求める3352人分の署名を手渡した。受け取った施設局の職員は「上司に報告する」と述べた。

 署名はインターネットやメール、座り込みの会場などで集めたもの。呼び掛け人の1人、浦島悦子さんは「16日から呼び掛けを始め、日本各地から署名が集まった。調査阻止へ力強い激励をもらった」と話した。

 施設局の職員は市民団体の代表に、「安全のために漁港内に設置した(調査用の資材置き場を囲う)仮設の塀を補強させてもらいたい」と申し入れた。反対派代表らは「安全は確保するので、引き揚げてほしい」と拒否したため、約1時間後に施設局の職員は漁港内から引き上げた。

 現場では、資材置き場前に座り込む市民団体のメンバー全員が立ち、市民団体の代表と施設局職員とのやりとりを見守った。周囲には警官十数人も警戒にあたり、緊迫した空気に包まれた。

<2004年4月27日 朝刊 23面>

名護市議会辺野古調査意見書否決/宙に浮く「説明責任」

 米軍普天間飛行場代替施設の建設に伴うボーリング調査と海象調査をめぐり、辺野古漁港で座り込みを続ける反対派メンバーと那覇防衛施設局との対立が続く名護市で二十六日、市議会臨時議会が開かれた。ボーリング調査について、県が那覇防衛施設局に対し環境配慮事項を求めたことに伴い、議員八人が市民と議会に作業計画の説明を求める意見書案を提出した。結果は一八対一〇の賛成少数で否決。しかし、反対議員からの質疑はゼロ、賛成討論六人に対し反対討論は一人。十分な議論が尽くされないまま、否決の結果だけが残った。(北部支社・岡部ルナ)

 座り込みを続ける住民はこれまで一貫して「せめて説明会を開いてほしい」と要望している。

 提出された意見書案は、県はボーリング調査に同意する際に環境配慮事項を示し、施設局もそれに対し環境配慮事項を県に報告したが、その内容は市民や市議会には説明されていないと指摘。

 さらに「調査関係者と市民の衝突は、説明せぬまま調査を強行しようとする施設局への市民側の反発」とし、説明することでこう着状態の打開をねらったものだった。

 だが、意見書案に反対した議員の一人は「今までの一連の流れもあり、調査は既定方針。環境配慮事項は報道でも公表されており、説明する必要はない」と冷ややか。

 別の議員は「名護市としても説明を求めない結論に達している。市政を支える与党の立場としても、説明を求めることはない」と、市への同調を反対の理由に挙げた。環境配慮事項については「議会事務局に資料がある。見たいならそれを見ればいい」とした。

 「基地に賛成、反対ではない。市民に説明し理解を得てやるのが筋だ」。意見書案に賛成した議員の呼びかける声は否決の前にむなしく響いた。

 名護市議会は昨年四月に同調査に対し、十分な説明と理解を得た上で実施することなどを求める意見書、十二月には地域住民への説明を求める決議を行っている。その説明もいまだ行われない中、「説明は必要ない」との姿勢を示したことになる。

<2004年4月27日 朝刊 22面>

迷いジュゴン無事放流/読谷村都屋沖

 読谷村都屋の都屋漁港の沖合約三キロに設置された大型定置網に迷い込んでいたジュゴンは、二十六日午後一時五十分ごろ、駆けつけた海洋博覧会記念公園管理財団の職員らによって無事放流された。

 作業には同財団や漁協組合員ら約二十人が参加。大型定置網漁船のクレーンで網を絞り込み、網の上端を砂袋で沈めた。できたすき間からジュゴンが自力で逃げるのを待った。

 放流されたジュゴンは全長二―二・五メートル。雌雄は判別できなかった。同財団によると、目立った外傷はなく、呼吸も順調で比較的元気な様子だという。

 過去に定置網による「混獲」で死亡する例が数例報告されているが、同財団の職員によると、「天候が良く、網を引き揚げずに連絡してくれたことが良かった」と漁協の発見後の措置を評価した。

<2004年4月27日 夕刊 5面>

連携救出経験生きた/読谷沖・定置網のジュゴン
漁獲しわ寄せ対策検討も

 読谷村漁協の定置網に迷い込んだジュゴン一頭が二十六日、組合員と海洋博覧会記念公園管理財団の連携により無事、沖に放された。これまで定置網で死亡するジュゴンが相次ぎ、県は昨年から、救助マニュアル策定や漁協への啓発を実施してきた。同漁協は県から特別な指導を受けていたわけではないが、今回の成功例は今後のモデルケースとなりそうだ。一方、救助活動で漁獲量に影響が出ており、「漁民救済策」などの課題も残る。(中部支社・島袋晋作)

 「発見後、網を引き揚げずに放置し、早急に連絡してくれたことが幸いだった」

 漁協から通報を受けて現場に急行した財団職員は、漁協の対応を高く評価する。

 読谷村漁協は、救助について県から特別な指導を受けていたわけではない。しかし、過去にはザトウクジラやジンベエザメなどが迷い込んだことがあり、その経験が奏功した形だ。

 一九九〇年以降、希少な天然記念物であるジュゴンが定置網に迷い込む「混獲事故」は今回の事案も含めて十件発生。そのうち七頭が死亡した。

 最近の事例では、二〇〇〇年十一月、宜野座村漢那沖の大型定置網で、ジュゴン発見後に網を引き揚げたことが影響し、窒息死している。

 ジュゴンの保護活動に取り組むジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局次長は、定置網を「海の獣道」と例える。魚をおびき寄せる構造は、ジュゴンも当然引き込まれやすいのだという。

 細川さんは「ジュゴンは、泳いでいる人間と似ていて、海上に浮上し呼吸する。呼吸ができない状況下では生きられないデリケートな生き物だ。発見時の状況にもよるが、現場を保存し、専門技術と知識を持った関係者に早急に連絡すべきだ」と訴える。

 一方で、漁業者の立場からは課題も残る。

 定置網にすき間をつくり、ジュゴンを逃がした結果、かかっていた魚も逃げてしまった。

 また、漁業者は普通なら定置網を揚げ、午前九時ごろには競りにかけるが、この日ジュゴン発見は午前七時半。沖に帰した後に漁を開始、漁港に戻ったのは午後三時ごろだった。

 ジュゴンの救助に参加した漁師の中には「ジュゴンを守るためには仕方ないが、漁獲量を落とすのは手痛い。午後からの仕事もできない」と複雑な表情を浮かべる者も。

 細川さんは「漁獲を少しでも上げたいのが漁民の本音だ。網でジュゴンを発見しても、『魚をとってから連絡しよう』という発想がでてくる恐れもある」と懸念する。

 県自然保護課の我那覇晃課長は「ジュゴン保護に全面的に協力してもらっている漁民に配慮した救助体制の確立が必要だ。今後、国や関係部局と連携しながら検討していきたい」と話した。



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